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2026/27シーズンのインフルエンザの流行について│内科・呼吸器内科専門医が解説

今シーズンのインフルエンザは、例年より早く流行が始まっています。
夏の終わりからインフルエンザが流行することに驚く方もいるかもしれません。
しかし、インフルエンザは冬だけに感染する病気ではありません。
人の移動や集団生活、冷房の効いた室内で過ごす時間の増加などにより、夏から秋にかけても感染が広がることがあります。

 

2026/27シーズンのインフルエンザは8月から流行開始

東京都の発表によると、2026年8月27日に都内でインフルエンザの流行開始が確認されました。
また、2026年第32週(8月3日~9日)には、全国のインフルエンザ定点当たり報告数が0.52となり、2024年の同じ週の0.38、2025年の0.30を上回っていました。
さらに、神奈川県では第33週(8月10日~16日)の定点当たり報告数が1.37となり、流行開始の目安である1.0を超えました。横浜市でも同じ週に1.22となり、流行期入りが発表されています。
岡山県では2026年第36週(8月31日 ~ 9月6日)時点で0.42であり、2025年の0.26を上回っています。現時点で岡山県内に大きな流行が確認されていませんが、全国的には早期流行が始まっています。今後、学校や保育施設、職場、家庭内で感染が広がる可能性があるため、県内の週報を継続的に確認することが大切です。

 

なぜ夏からインフルエンザが流行するの?

インフルエンザは、一般的に冬に流行する感染症です。しかし、感染が冬にしか起こらないわけではありません。
2026年夏の流行には、次のような要因が関係している可能性が高いです。

夏休みや旅行による人の移動

帰省、旅行、イベント、部活動、合宿などにより、人と人が接触する機会が増加。広域での移動が増えると、感染が地域を越えて拡大することがあります。

 

学校・保育施設などでの集団生活

学校や保育園、幼稚園では、子ども同士が近い距離で過ごす時間が長く、感染が広がりやすい環境となることがあります。

 

冷房の効いた室内で長時間過ごす

暑い時期は窓を閉め切った室内で過ごすことが多くなります。換気が不十分なまま人が集まると、呼吸器感染症が広がる可能性があります。

 

夏の体調不良と考えて受診が遅れる

夏に発熱すると、熱中症や夏風邪と考え、インフルエンザを想定しないことがあります。その結果、検査や治療が遅れる場合があります。

 

ただし、2026/27シーズンのインフルエンザの早期流行の原因を一つに決めることはできません。
ウイルスの流行状況、人の移動、集団生活、室内環境など、複数の要因が関係していると考えられます。

 

 

2026/27シーズンのインフルエンザの症状

インフルエンザの症状は、夏や秋に感染した場合でも、冬に感染した場合と基本的には変わりません。

主な症状は次のとおりです。
・急な発熱
・悪寒
・強い倦怠感
・頭痛
・関節痛・筋肉痛
・咳
・のどの痛み
・鼻水
・食欲低下 など

ただし、すべての方に高熱が出るとは限りません。高齢者、乳幼児、基礎疾患のある方では、症状が典型的ではないこともあります。また、発熱や咳、のどの痛みは、新型コロナウイルス感染症やその他の呼吸器感染症でもみられます。症状だけでインフルエンザと断定することは難しいため、必要に応じて検査を受けることが大切です。

 

このような症状がある場合は早めに受診を

次のような症状がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。

・急な発熱がある
・強いだるさや悪寒がある
・関節痛や筋肉痛が強い
・咳やのどの痛みがある
・家族や職場、学校でインフルエンザが発生している
・新型コロナの検査が陰性でも発熱が続いている
・市販薬を使用しても症状がつらい

 

次のような症状がある場合は、特に早めの受診が必要です。

・息苦しさ
・意識がぼんやりする
・ぐったりしている
・水分がとれない
・尿が少ない
・強い胸の痛み
・けいれん
・高熱が長く続く

 

高齢者、乳幼児、妊娠中の方、基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方は、重症化リスクが高いため、症状が軽く見えても早めに医療機関にご相談ください。

 

インフルエンザの検査と治療はタイミングが重要

インフルエンザの検査は、発症直後などウイルス量が少ない時期には、感染していても陰性となる場合があります。
そのため、検査結果だけで判断せず、次の情報を含めて総合的に評価します。
・症状が出てからの経過時間
・発熱や全身症状の程度
・周囲の流行状況
・年齢や基礎疾患
・新型コロナウイルス感染症など他の感染症の可能性

抗インフルエンザ薬は、一般に発症後早い時期、特に48時間以内に服用を開始することが重要です。
すべての方に抗インフルエンザ薬が必要とは限りませんが、重症化リスクが高い方、症状が強い方、感染を広げる可能性が高い方は、早めに医療機関へご相談ください。

 

 

2026/27シーズンのインフルエンザHAワクチン

2026/27シーズンのインフルエンザHAワクチンは、WHOの推奨や国内の流行状況などを踏まえて製造・供給されます。
供給予定量は、約5,190万回分です。過去5年間の平均供給量は約4,689万回分であり、平均を上回る供給が予定されています。

 

令和7年度と令和8年度の製造株を比較

2026/27シーズンのワクチンでは、令和7年度からA型2株、B型1株のすべてが変更されました。

製造株の比較

区分 令和7年度(2025/26シーズン) 令和8年度(2026/27シーズン)
A型(H1N1) A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238) A/スイス/6849/2025(IVR-278)
A型(H3N2) A/パース/722/2024(IVR-262) A/ミシガン/105/2025(SAN-049A)
B型(Victoria系統) B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26) B/東京/EIS13-175/2025


インフルエンザウイルスは、流行する過程で性質が変化します。そのため、ワクチンに使用される株は、国内外の流行状況やウイルスの性質を踏まえて毎年見直されます。
令和8年度は3株すべてが変更されましたが、これは令和7年度のワクチンが無効になったという意味ではありません。ただし、ワクチンによる免疫は時間とともに低下することに加え、流行するウイルスの性質が変化する可能性もあります。
令和8年度の製造株は、今年流行しているインフルエンザウイルスに対する感染予防効果や、感染した場合の重症化を予防する効果が期待されます。ただし、ワクチンを接種しても感染を完全に防げるわけではなく、効果には個人差があります。そのため、毎年の流行状況とワクチン株を踏まえ、シーズンごとの接種を検討することが重要です。

また、妊娠中の方もインフルエンザワクチンを接種できます。妊娠中に接種する場合は、不活化ワクチンを使用します。接種を希望する方は、妊娠週数や健康状態などについて、あらかじめ主治医や接種医に相談してください。

 

 

 

家庭や職場でできる感染対策

ワクチン接種だけでなく、日常生活での対策も続けましょう。

手洗い・手指消毒

外出後、食事前、咳や鼻水に触れた後は、石けんと流水で手を洗いましょう。

 

咳エチケット

咳やくしゃみがある場合は、マスクを着用する、ティッシュや袖で口と鼻を覆うなど、周囲へ感染を広げない配慮が必要です。

 

換気

冷房中や暖房中でも、可能な範囲で換気を行いましょう。人が集まる場所では、定期的な換気が重要です。

 

体調不良時は無理をしない

発熱、強い倦怠感、咳などがある場合は、無理に出勤・登校せず、医療機関へご相談ください。

 

表町診療所でできること

岡山県岡山市北区にあります表町診療所では、発熱、咳、のどの痛み、強い倦怠感など、インフルエンザが疑われる症状に対して、必要に応じた検査と治療を行っています。
発症からの経過時間や症状、周囲の流行状況などを踏まえて診断し、抗インフルエンザ薬の処方についても検討します。発熱や咳などの症状がある方は、受診前にお電話でご相談ください。
また、インフルエンザワクチンの接種にも対応しています。接種は令和8年10月1日から令和9年1月31日です。事前の予約は不要で、直接お越しいただいてもワクチン接種を受けていただくことが可能です。高齢の方、基礎疾患のある方、妊娠中の方など、接種について不安がある場合もお気軽にご相談ください。

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