肺炎球菌の予防接種・ワクチン

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肺炎球菌ワクチン・予防接種のご案内

肺炎球菌ワクチン接種は、令和8年度から定期接種で用いるワクチンが、PPSV23からPCV20へ変更となります。

事前予約が必要です。ご予約はお電話のみで承っております。
接種をご検討の方は、まずはお気軽にお電話ください。

対象者・接種期間・接種回数・料金のご案内

定期接種の対象者

肺炎球菌ワクチンの定期接種は、以下のいずれかに該当する岡山市民の方で、自らの意思で接種を希望される方が対象です。
※過去にPPSV23(ニューモバックスNP)やPCV20(プレベナー20)等を接種済みの方で、肺炎球菌予防接種を行う必要がないと医師により認められる場合は対象外となります。

  1. 接種時において65歳の方
    65歳の誕生日前日から66歳の誕生日前日までの1年間が定期接種の対象期間となります。
  2. 接種時において、満60歳以上満65歳未満の市民であって、一定の基礎疾患をお持ちの方
    心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に障害があり、身体障害者手帳1級相当の方が該当します。接種の際には、対象障害1級の身体障害者手帳のコピーまたは同等と認める診断書を医療機関へ提出してください。

定期接種の期間

令和8年4月1日~令和9年3月31日

定期接種の回数

1回

定期接種の料金

世帯区分 自己負担額 申請窓口
一般世帯 3,600円 申請不要
市民税非課税世帯
(助成券が必要)
1,800円 保健所、保健センター
区役所、支所など
生活保護受給世帯
中国残留邦人等支援給付受給世帯
無料 福祉事務所
保健所感染症対策課

岡山市の高齢者肺炎球菌予防接種について

任意接種の料金

定期接種の対象とならない方で接種を希望される場合は、任意接種(全額自己負担)となります。
※任意接種の料金・取り扱いワクチンについては、当院までお問い合わせください。

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌とは

肺炎球菌は、もともと多くの人の鼻やのどの奥に住み着いている細菌です。健康な状態であれば免疫力によって活動が抑えられているため、感染症を発症することはほとんどありません。しかし、加齢や病気によって免疫力が低下すると、肺炎球菌が活発になり、さまざまな感染症を引き起こします。

日本人の約5〜10%の高齢者は、鼻やのどの奥にこの菌を常在菌として保有しているとされています。肺炎球菌は主に小児の鼻やのどに存在し、咳やくしゃみによる飛沫を介して周囲に感染が広がります。

肺炎球菌の特徴として、「莢膜(きょうまく)」と呼ばれる分厚い膜に包まれているため、体の免疫細胞からの攻撃に強く、退治しにくい細菌です。さらに近年は抗菌薬(抗生物質)が効きにくい耐性菌も増えており、肺炎球菌感染症は重症化しやすい感染症として注意が必要です。

肺炎球菌が引き起こす病気

成人の場合、肺炎球菌感染症の代表的なものは「肺炎」です。日常生活の中で発症する肺炎(市中肺炎)の原因菌として、肺炎球菌は最も多いと報告されています。
肺炎以外にも、肺炎球菌は以下のような重篤な感染症を引き起こすことがあります。菌血症(血液中に菌が入り込んだ状態)、敗血症(感染症により重篤な臓器障害が起こる状態)、髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の感染症)、さらに中耳炎や副鼻腔炎なども肺炎球菌が原因となることがあります。

特に重要なのは、肺炎で亡くなる方の約97.8%が65歳以上の高齢者であるという事実です(2023年データ、新型コロナウイルス感染症による死亡者を除く)。肺炎は日本人の死因の上位に位置しており、高齢者にとって命に関わる重大な疾患です。

肺炎球菌感染症の予防について

ワクチン接種による予防

高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、重症な肺炎などにかかることを予防する効果があります。肺炎球菌には100種類以上の血清型がありますが、定期接種で使用される「プレベナー20水性懸濁注(沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン)」は、そのうち20種類の血清型を対象としたワクチンです。高齢者の定期予防接種に使用できるワクチンはこれのみです。

この20種類の血清型は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(血液や髄液など本来菌がいない場所から菌が検出される重篤な感染症)の原因の約5〜6割を占めるという研究結果があります。

PCV20(プレベナー20)の大きな特徴は、「結合型ワクチン」である点です。従来のPPSV23(ニューモバックスNP)は多糖体ワクチンのため免疫記憶が形成されにくく、効果が5〜6年で低下し再接種が必要でした。一方、PCV20は肺炎球菌の多糖体をCRM197(ジフテリア毒素の非毒性変異タンパク質)と結合させることで、T細胞依存的な免疫応答を誘導し、長期的な免疫記憶を担うメモリーB細胞を形成します。これにより、1回の接種で20種類の血清型に対する免疫が長期間持続し、将来ふたたび肺炎球菌に接触した際にも速やかに免疫が再活性化して重症化を防ぐことが期待されています。現行のガイドラインでは再接種は不要とされており、1回の接種で長期的な予防効果が見込める点がPCV20の大きな利点です。

ただし、肺炎球菌ワクチンですべての肺炎を予防できるわけではありません。ワクチンでカバーしていない血清型や、他の原因菌による肺炎は予防できません。日常的な感染予防(手洗い、うがい、マスク着用など)や、インフルエンザワクチンの接種なども併せて行うことが大切です。

日常生活での予防

肺炎を予防するためには、免疫力を維持・向上させることが重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙などの生活習慣の改善を心がけましょう。特に喫煙は肺炎の発症リスクを高めることが知られており、喫煙歴のある方は特に注意が必要です。
また、口腔ケアも肺炎予防に重要です。口の中を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。定期的な歯科受診とともに、日々の歯磨きや入れ歯の清掃を丁寧に行いましょう。

接種を受ける際の注意事項

接種を受けられない方

以下に該当する方は、接種を受けることができません。

  • ジフテリアトキソイドによって、アナフィラキシーを呈したことがある方
  • 明らかに発熱している方(通常37.5℃以上)
  • 重篤な急性疾患にかかっている方
  • その他、医師が不適当な状態と判断した方

接種に注意が必要な方

以下に該当する方は、接種前に必ず医師にご相談ください。

  • 心臓、腎臓、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患をお持ちの方
  • 過去に予防接種を受けて2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギー症状があった方
  • けいれんを起こしたことがある方
  • 免疫不全と診断されている方、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
  • 沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンの成分やジフテリアトキソイドによって、アレルギーを呈するおそれのある方

副反応について

ワクチン接種後に以下のような副反応がみられることがありますが、これらの症状の大部分は数日以内に回復します。

  • 比較的多い副反応(10%以上):筋肉痛、関節痛、注射部位の疼痛・圧痛、頭痛、疲労
  • やや多い副反応(1〜10%):注射部位の紅斑・腫脹
  • まれな副反応(1%未満):発疹、そう痒症、多汗症、腫脹(皮膚)/筋浮腫、筋骨格硬直(筋・骨格系)/そう痒感、血腫、熱感、蕁麻疹(注射部位)/不安、味覚不全(精神神経系)/咳嗽、鼻咽頭炎(呼吸器)/胃炎、下痢、腹部不快感(消化器)/動悸(循環器)/悪寒、腫脹、発熱、異常感、疼痛(その他)
  • 頻度不明:血管性浮腫、多形紅斑、蕁麻疹、蕁麻疹様発疹(皮膚)/筋肉痛増悪、関節痛増悪(筋・骨格系)/皮膚炎、硬結、上腕の可動性低下(注射部位)/中期不眠症、易刺激性、傾眠状態、睡眠増加、不安定睡眠、不眠(精神神経系)/呼吸困難、気管支痙攣(呼吸器)/食欲減退、嘔吐、悪心(消化器)/注射部位に限局したリンパ節症(血管及びリンパ系)/顔面浮腫、呼吸困難、気管支痙攣(過敏症反応)

接種後に体調に異変を感じたら、速やかに医療機関を受診してください。
※基本的に、再接種の場合は、定期予防接種の対象となりませんのでご注意ください。

よくあるご質問

過去に肺炎にかかったことがありますが、接種できますか?
はい、接種可能です。肺炎にはさまざまな原因があり、また肺炎球菌にも多くの血清型があります。過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかったことがあっても、ワクチン接種により他の血清型による感染を予防する効果が期待できますので、定期接種の対象となります。
他の肺炎球菌ワクチン(PCV13)を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?
過去の接種歴が13価ワクチン(PCV13)のみの場合は、定期接種の対象となります。ただし、過去に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23/ニューモバックスNP)の定期接種を受けたことのある方は、基本的にPCV20の定期接種を受けることはできません。また、23価や20価等の肺炎球菌ワクチンの任意接種等を受けたことのある方で、接種を行う必要がないと医師により認められる場合も対象外となります。
定期接種で使用されるワクチンは何ですか?
令和8年度から、定期接種で使用するワクチンはPPSV23(ニューモバックスNP)からPCV20(プレベナー20水性懸濁注)に変更となりました。高齢者の定期予防接種に使用できるワクチンはPCV20のみです。その他のワクチン(PPSV23、PCV15等)は任意接種としての使用となります。
長期療養中で65歳の間に接種できませんでした。どうすればよいですか?
長期にわたり療養を必要とする病気のために定期接種を受けられなかった場合、「長期療養特例」として定期接種を受けられる可能性があります。この場合、接種可能となった日から1年以内に接種を受ける必要があります。事前申請が必要ですので、保健所感染症対策課にお問い合わせください。
副反応で健康被害が起きた場合はどうなりますか?
定期接種を受けたことにより健康被害が発生した場合には、予防接種法に基づく救済制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。

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