肺炎球菌の予防接種・ワクチン
肺炎球菌ワクチン・予防接種のご案内
当院での肺炎球菌ワクチン接種は、
事前予約が必要です。ご予約はお電話のみで承っております。接種をご検討の方は、まずはお気軽にお電話ください。
対象者・料金のご案内
定期接種の対象者
肺炎球菌ワクチンの定期接種は、過去に23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)を接種したことがない岡山市民の方で、以下のいずれかに該当し、接種を希望される方が対象です。
①接種当日に満65歳の方
65歳の誕生日前日から66歳の誕生日前日までの1年間が定期接種の対象期間となります。
②接種当日に満60歳以上65歳未満で、一定の基礎疾患をお持ちの方
心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に障害があり、身体障害者手帳1級相当の方が該当します。接種の際には、対象障害1級の身体障害者手帳のコピーまたは同等と認める診断書を医療機関へ提出してください。
※65歳を超える方を対象とした経過措置は2024年3月31日に終了しました。定期接種の機会は65歳の1年間のみとなりますので、対象の方は接種機会を逃さないようご注意ください。
定期接種の料金
| 世帯区分 | 自己負担額 | 申請窓口 |
|---|---|---|
| 一般世帯 | 3670円 | 申請不要 |
| 市民税非課税世帯 (助成券が必要) |
1,830円 | 保健所、保健センター 区役所、支所など |
| 生活保護受給世帯 中国残留邦人等支援給付受給世帯 |
無料 | 福祉事務所 保健所感染症対策課 |
岡山市の高齢者肺炎球菌予防接種について詳しくはこちら
任意接種の料金
定期接種の対象とならない方で接種を希望される場合は、任意接種(全額自己負担)となります。
23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP):7,500円(1回接種)
肺炎球菌感染症について
肺炎球菌とは
肺炎球菌は、もともと多くの人の鼻やのどの奥に住み着いている細菌です。健康な状態であれば免疫力によって活動が抑えられているため、感染症を発症することはほとんどありません。しかし、加齢や病気によって免疫力が低下すると、肺炎球菌が活発になり、さまざまな感染症を引き起こします。
日本人の約3〜5%の高齢者は、鼻やのどの奥にこの菌を常在菌として保有しているとされています。肺炎球菌は主に小児の鼻やのどに存在し、咳やくしゃみによる飛沫を介して周囲に感染が広がります。
肺炎球菌の特徴として、「莢膜(きょうまく)」と呼ばれる分厚い膜に包まれているため、体の免疫細胞からの攻撃に強く、退治しにくい細菌です。さらに近年は抗菌薬(抗生物質)が効きにくい耐性菌も増えており、肺炎球菌感染症は重症化しやすい感染症として注意が必要です。
肺炎球菌が引き起こす病気
成人の場合、肺炎球菌感染症の代表的なものは「肺炎」です。日常生活の中で発症する肺炎(市中肺炎)の原因菌として、肺炎球菌は最も多いと報告されています。
肺炎以外にも、肺炎球菌は以下のような重篤な感染症を引き起こすことがあります。菌血症(血液中に菌が入り込んだ状態)、敗血症(感染症により重篤な臓器障害が起こる状態)、髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の感染症)、さらに中耳炎や副鼻腔炎なども肺炎球菌が原因となることがあります。
特に重要なのは、肺炎で亡くなる方の約97.8%が65歳以上の高齢者であるという事実です(2023年データ、新型コロナウイルス感染症による死亡者を除く)。肺炎は日本人の死因の上位に位置しており、高齢者にとって命に関わる重大な疾患です。
肺炎球菌感染症の予防について
ワクチン接種による予防
高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は、重症な肺炎などにかかることを予防する効果があります。肺炎球菌には90種類以上の血清型がありますが、定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうち23種類の血清型に効果があります。
この23種類の血清型は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(血液や髄液など本来菌がいない場所から菌が検出される重篤な感染症)の原因の約4〜5割を占めています。ワクチン接種により、これらの血清型による侵襲性肺炎球菌感染症を約4割予防する効果が認められています。
ただし、肺炎球菌ワクチンですべての肺炎を予防できるわけではありません。ワクチンでカバーしていない血清型や、他の原因菌による肺炎は予防できません。日常的な感染予防(手洗い、うがい、マスク着用など)や、インフルエンザワクチンの接種なども併せて行うことが大切です。
日常生活での予防
肺炎を予防するためには、免疫力を維持・向上させることが重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙などの生活習慣の改善を心がけましょう。特に喫煙は肺炎の発症リスクを高めることが知られており、喫煙歴のある方は特に注意が必要です。
また、口腔ケアも肺炎予防に重要です。口の中を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。定期的な歯科受診とともに、日々の歯磨きや入れ歯の清掃を丁寧に行いましょう。
接種を受ける際の注意事項
接種を受けられない方
以下に該当する方は、接種を受けることができません。
- このワクチンの成分によってアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)を起こしたことがある方
- 過去に23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)を接種したことがある方
- 明らかに発熱している方(通常37.5℃以上)
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- その他、医師が予防接種を行うことが不適当と判断する方
接種に注意が必要な方
以下に該当する方は、接種前に必ず医師にご相談ください。
- 心臓、腎臓、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患をお持ちの方
- 過去に予防接種を受けて2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- このワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
副反応について
ワクチン接種後に以下のような副反応がみられることがありますが、これらの症状の大部分は数日以内に回復します。
比較的多い副反応(5%以上):注射部位の痛み、熱感、腫れ、発赤
やや多い副反応(1〜5%):倦怠感、違和感、悪寒、発熱、筋肉痛、頭痛、注射部位の硬結
まれな副反応:ほてり、注射部位のかゆみ、皮疹、咽頭炎、悪心など
頻度は不明ですが、重い副反応として、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎様反応などが報告されています。接種後に体調に異変を感じたら、速やかに医療機関を受診してください。
※注意:過去5年以内にこのワクチンを接種したことがある方が再度接種した場合、注射部位の痛み・発赤・硬結などの副反応が初回接種よりも強く出ることがあります。接種前に必ず接種歴をご確認ください。
よくあるご質問
- 過去に肺炎にかかったことがありますが、接種できますか?
- はい、接種可能です。肺炎にはさまざまな原因があり、また肺炎球菌にも多くの血清型があります。過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかったことがあっても、ワクチン接種により他の血清型による感染を予防する効果が期待できますので、定期接種の対象となります。
- 他の肺炎球菌ワクチン(PCV13やPCV15)を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?
- はい、受けられます。沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)や沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)を過去に接種したことがある場合でも、ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)を定期接種として接種することができます。
- PCV15やPCV20は定期接種で使えますか?
- いいえ、現時点では使用できません。高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種に位置づけられているワクチンは「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」のみです。その他のワクチンは任意接種としての使用となります。
- 長期療養中で65歳の間に接種できませんでした。どうすればよいですか?
- 長期にわたり療養を必要とする病気のために定期接種を受けられなかった場合、「長期療養特例」として定期接種を受けられる可能性があります。この場合、接種可能となった日から1年以内に接種を受ける必要があります。特例に該当するかどうかは医学的な判断が必要ですので、詳細はお住まいの市町村にお問い合わせください。
- 副反応で健康被害が起きた場合はどうなりますか?
- 定期接種を受けたことにより健康被害が発生した場合には、予防接種法に基づく救済制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。