生活習慣病

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生活習慣病とは?

生活習慣病とは、毎日の食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスといった生活習慣が深く関わって発症したり進行したりする病気の総称です。代表的なものとして、糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、肥満症などがあります。以前は「成人病」と呼ばれていましたが、平成8年に「生活習慣病」という名称に変更されました。この変更には大きな意味があります。成人病という呼び方では「加齢によって自然に起こる病気」という印象を与えてしまい、予防への意識が薄れがちでした。しかし実際には、これらの病気の多くは日々の生活習慣が原因となって発症するものなんです。生活習慣病という名称に変わったことで、「生活習慣を見直せば予防できる病気」という認識が広まり、一人ひとりが自分の健康に責任を持って取り組むという考え方が浸透してきました。つまり、これらの病気は避けられない運命ではなく、日々の選択によって予防できる可能性が高いということです。岡山市北区の表町診療所では、生活習慣病の予防から治療まで、総合内科専門医として皆様の健康をトータルでサポートしています。

生活習慣病はなぜ怖いのか

生活習慣病の最も恐ろしい点は、初期段階ではほとんど自覚症状がないということです。血圧が少し高い、血糖値が基準値をわずかに超えている、そんな状態でも日常生活に支障はありません。痛みもなければ、体のだるさも感じないことが多いのです。しかし、この「症状がない期間」こそが危険なんです。例えば動脈硬化について、自覚症状がないまま、体の中では確実に動脈硬化が進行しています。(動脈硬化とは、血管の壁が硬く厚くなり、血液の流れが悪くなる状態のことです。)この変化は静かに、しかし着実に進んでいきます。そして気づいた時には、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重大な病気を引き起こしてしまうのです。心筋梗塞で突然倒れてしまう、脳卒中で片麻痺が残ってしまう、そうなってから「もっと早く生活習慣を改善しておけば」と後悔しても、失われた健康は簡単には戻りません。また、生活習慣病は一つだけで終わらないことも特徴です。高血圧の方が糖尿病を併発する、脂質異常症と肥満が同時に存在するといったように、複数の生活習慣病が重なり合うことで、それぞれの疾患のリスクはさらに高まります。さらに、一度発症してしまうと、多くの場合は生涯にわたって治療を続ける必要があります。毎日の服薬、定期的な通院、食事制限など、生活の質にも影響を及ぼします。医療費の負担も決して軽くはありません。だからこそ、症状が出る前の予防、そして早期発見・早期治療が何よりも大切なのです。

まずはお気軽に受診・ご相談ください

「健康診断で血圧が高めと言われた」「血糖値が気になる」「最近太ってきた気がする」そんな不安を抱えていませんか。生活習慣病の予防や治療において最も大切なのは、早めに相談することです。「まだ症状がないから大丈夫」「もう少し様子を見てから」と先延ばしにしているうちに、病気は静かに進行してしまいます。表町診療所では、生活習慣病の診療に力を入れており、私は総合内科専門医として豊富な経験を持っています。健康診断で異常を指摘された方、ご自身の生活習慣が気になる方、家族に生活習慣病の方がいて心配な方など、どんな小さな不安でも構いません。表町診療所では、血液検査や尿検査を院内で迅速に実施できる体制を整えています。血糖値やHbA1c(糖尿病の指標)、脂質(総コレステロール、中性脂肪など)、を短時間で測定し、その場で結果をお伝えして治療方針を相談できます。また、動脈硬化の程度を調べる血管年齢検査や、超音波検査による脂肪肝などの内臓の評価なども可能です。生活習慣の改善についても、お一人お一人の生活スタイルに合わせた現実的なアドバイスを心がけています。「食事を変えたいけれど何から始めればいいか分からない」「運動が苦手で続かない」といったお悩みにも、丁寧にお答えします。岡山市北区の皆様の健康を守る「かかりつけ医」として、どうぞお気軽にご相談ください。

原因となる生活習慣と、それによって引き起こされると考えられる主な病気

生活習慣病は、日々の生活の中での選択が積み重なって発症します。不適切な食生活、運動不足、喫煙、過度な飲酒、ストレスなど、これらの要因が複雑に絡み合って、さまざまな病気を引き起こすのです。ここでは、代表的な生活習慣病についてご紹介します。

  • 糖尿病とは

    糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が慢性的に高くなる病気です。食事から摂取したブドウ糖を細胞に取り込む働きをするインスリンというホルモンの分泌が不足したり、その働きが悪くなったりすることで発症します。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると喉の渇き、頻尿、体重減少、疲れやすさなどの症状が現れます。
    放置すると、網膜症による失明、腎症による透析導入、神経障害による足の壊疽など、深刻な合併症を引き起こします。また、心筋梗塞や脳卒中のリスクも健康な人の2~3倍に高まります。過食、運動不足、肥満が主な原因となり、遺伝的な要素も関係しています。

  • 高血圧症とは

    高血圧症は、血圧が正常範囲を超えて慢性的に高い状態が続く病気です。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことで、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の状態が続くと高血圧と診断されます。高血圧そのものには症状がほとんどないため「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。しかし放置すると、動脈硬化が進行し、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全などの重大な合併症を引き起こします。塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、過度な飲酒などが原因となります。

  • 脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)とは

    脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に増加する、あるいは善玉コレステロールが減少する病気です。具体的には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い、中性脂肪が高いといった状態を指します。
    自覚症状はまったくありませんが、動脈硬化を着実に進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。高カロリー・高脂肪の食事、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒などが原因となります。遺伝的な要因で起こる家族性高コレステロール血症という病気もあります。

  • 脳血管障害(脳卒中)とは

    脳血管障害(脳卒中)は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に血液が届かなくなり、脳の細胞が障害を受ける病気の総称です。脳梗塞(血管が詰まる)、脳出血(血管が破れる)、くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂する)の3つのタイプがあります。突然の片側の手足の麻痺やしびれ、言葉が出にくい、ろれつが回らない、激しい頭痛、めまい、意識障害などの症状が現れます。発症後の治療開始が早ければ早いほど予後が良くなるため、これらの症状が現れたらすぐに救急受診が必要です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、過度な飲酒、心房細動などが危険因子となります。

  • 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)とは

    虚血性心疾患は、心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりすることで、心臓の筋肉(心筋)に十分な血液が届かなくなる病気です。狭心症は冠動脈が狭くなって心筋への血流が不足し酸素不足になる状態で、胸の痛みや圧迫感が数分から十数分続きます。心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まって心筋が壊死してしまう状態で、激しい胸痛が30分以上続き、冷や汗や吐き気を伴います。心筋梗塞は命に関わる緊急事態であり、すぐに救急搬送が必要です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙が主な危険因子で、これらが重なるほどリスクが高まります。

  • 睡眠時無呼吸症候群とは

    睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。のどの周りの筋肉が緩んで気道が狭くなったり塞がったりすることで起こります。いびきがひどい、日中の眠気や倦怠感、起床時の頭痛、集中力の低下などの症状が現れます。この病気は単に睡眠の質が悪いだけでなく、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中のリスクを高めることが分かっています。肥満が最大の危険因子で、首周りに脂肪が蓄積することで気道が狭くなります。適切な治療により症状が改善し、合併症のリスクも下がります。

  • 高尿酸血症(痛風)とは

    高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態のことで、7.0mg/dLを超えると診断されます。尿酸は細胞の新陳代謝やプリン体を多く含む食品の摂取によって作られる老廃物です。高尿酸血症が続くと、尿酸が結晶化して関節に沈着し、激しい痛みを引き起こす痛風発作を起こします。痛風発作は特に足の親指の付け根に起こりやすく、「風が吹いても痛い」と言われるほどの激痛です。また、高尿酸血症は腎障害や尿路結石の原因にもなります。プリン体の多い食品の過剰摂取、アルコールの飲み過ぎ、肥満、ストレス、遺伝的要因などが関係しています。

  • 肥満とは

    肥満とは、体に脂肪が過剰に蓄積した状態のことです。BMI(体格指数)が25以上の場合を肥満と判定します。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割って計算します。例えば、身長170cm(1.7m)で体重75kgの方なら、75 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 約26.0となり、肥満と判定されます。

  • 肥満症とは

    肥満症とは、単なる肥満ではなく、肥満に起因する健康障害を合併している場合、あるいは内臓脂肪が過剰に蓄積している場合を指し、医学的に治療が必要な病気として扱われます。健康障害には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症などが含まれます。つまり、BMIが25以上でも健康障害がなければ「肥満」ですが、健康障害があれば「肥満症」という病気になるということです。過食、運動不足が主な原因ですが、遺伝的要因や生活環境、ストレスなども関係しています。肥満症と診断された場合は、積極的な減量治療が必要です。

  • メタボリックシンドロームとは

    メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、単なる肥満とは異なる概念です。内臓脂肪の蓄積に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上を併せ持つ状態のことを指します。肥満は体脂肪が全体的に増えた状態を示しますが、メタボリックシンドロームは特に内臓脂肪の蓄積に着目した概念です。内臓脂肪は、皮下脂肪よりも生活習慣病との関連が強く、特に注意が必要なのです。内臓脂肪の量は、内臓脂肪面積(腹部CT検査で測定)で評価可能であり、内臓脂肪面積100cm2以上が、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上に相当するとされています。また、肥満症は肥満に健康障害を伴う病気ですが、メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を必須条件とし、血圧・血糖・脂質の異常が複数重なった状態を指します。メタボリックシンドロームの特徴は、これらの異常が一つひとつは軽度でも、重なり合うことで動脈硬化が急速に進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが飛躍的に高まるという点です。過食、運動不足、不規則な生活習慣が主な原因で、生活習慣の改善により内臓脂肪を減らすことが治療の基本となります。

    メタボリックシンドロームの診断基準

    メタボリックシンドロームは、以下の基準によって診断されます。

    必須項目:内臓脂肪の蓄積

    ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上であること。これは内臓脂肪面積が100平方cm以上に相当します。
    へそのあたりで測定します。

    選択項目(以下のうち2つ以上に該当)
    • 中性脂肪が150mg/dL以上、または善玉コレステロール(HDLコレステロール)が40mg/dL未満のいずれか
      または両方に該当する場合。
    • 収縮期血圧(上の血圧)が130mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg以上のいずれかまたは両方に該当する場合。
    • 空腹時血糖値が110mg/dL以上の場合。

    つまり、お腹周りが基準を超えていて、さらに血圧、血糖、脂質のうち2つ以上に異常があれば、メタボリックシンドロームと診断されるということです。

    BMI(体格指数)について

    BMIは肥満度を示す指標で、次の計算式で求められます。

    BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

    例えば、身長170cm(1.7m)で体重70kgの方なら、70 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 24.2となります。

    判定基準
    • 18.5未満:やせ
    • 18.5以上25未満:普通体重
    • 25以上:肥満

    BMIが25以上の方は肥満と判定され、生活習慣病のリスクが高まります。
    特にBMIが30を超えると、高度肥満として積極的な治療が必要とされます。
    ただし、BMIだけでは内臓脂肪の蓄積状況は分かりません。BMIが正常範囲でも、内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の方もいらっしゃいます。
    ウエスト周囲径も合わせて確認することが大切です

生活習慣病を予防する方法

生活習慣病の予防や改善の基本は、毎日の生活習慣を見直すことです。特に重要なのが「食生活」と「運動」、そして「禁煙」です。

  • 食生活の改善

    食生活の改善は、生活習慣病予防の基本中の基本です。しかし、いきなり大きく変えようとすると続きません。まずはできることから少しずつ始めましょう。

    塩分を控える

    • 日本人の食塩摂取量は1日平均10g程度ですが、高血圧予防のためには6g未満が目標です
    • 醤油やソースをかけ過ぎない、直接かけずに小皿に取って少しずつつける
    • 汁物は1日1杯まで、麺類の汁は残す
    • 加工食品や外食を控える(ハム、ソーセージ、かまぼこ、インスタント食品は塩分が多い)
    • レモンや酢、香辛料、だしの旨味を活用して、塩分が少なくても美味しく食べる工夫をする

    糖分・脂肪分を控える

    • 清涼飲料水やお菓子、菓子パンには想像以上に多くの糖分が含まれています
    • 間食は控えめに、甘い飲み物は避けて水やお茶を選ぶ
    • 揚げ物や脂身の多い肉、洋菓子などは脂質が高く、肥満や脂質異常症の原因となります
    • 調理方法を工夫する(揚げる→焼く→蒸す→煮るの順で油の使用量が減ります)

    野菜・果物を積極的に摂る

    • 野菜には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています
    • 毎食、野菜料理を2皿以上、特に色の濃い緑黄色野菜を意識して摂る
    • 食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールの吸収を抑える効果があります
    • 果物も適量(1日200g程度、バナナなら1本、りんごなら1個程度)摂りましょう

    食べる順番を工夫する

    • まず野菜から食べ始めることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます
    • 次に肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べる「ベジファースト」を習慣に

    腹八分目を心がける

    • 満腹になるまで食べ続けると、カロリーオーバーになり肥満につながります
    • ゆっくりよく噛んで食べることで、満腹感を得やすくなります(一口30回噛むことを目標に)
    • 小さめの食器を使う、一度に食卓に出す量を減らすなどの工夫も効果的です

    アルコールは適量を守る

    • 日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯程度が目安です
    • 週に2日は休肝日を設けることも大切です
    • アルコールは高カロリーで、飲み過ぎは肥満、高血圧、脂質異常症、痛風の原因となります

    規則正しい食事時間

    • 朝食を抜くと、昼食や夕食で食べ過ぎてしまい、肥満につながります
    • 夜遅い時間の食事は避け、就寝の3時間前までに済ませましょう
    • 1日3食、規則正しく食べることで、血糖値の変動も安定します
  • 運動習慣の確立

    運動には、肥満の解消、血糖値や血圧の改善、善玉コレステロールの増加、ストレス解消など、多くの効果があります。

    日常生活の中で体を動かす

    • エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う
    • 一駅分歩く、バス停一つ分歩く
    • 買い物は車ではなく徒歩や自転車で行く
    • テレビを見ながらストレッチをする
    • 掃除や洗濯など、家事も立派な運動です
    • 小さなことの積み重ねが大切です

    ウォーキングを習慣にする

    • 1日30分程度、少し息が弾む程度のペースで歩くことを目標にしましょう
    • 週に3~5日、合計150分以上の運動が推奨されています
    • まとまった時間が取れない場合は、10分ずつに分けても効果があります
    • 歩数計やスマートフォンのアプリを使って、1日8000~10000歩を目指しましょう
    • 通勤時に一駅分歩く、昼休みに散歩するなど、生活の中に組み込むと続けやすくなります

    有酸素運動を取り入れる

    • ウォーキング以外にも、ジョギング、水泳、サイクリング、エアロビクスなどの有酸素運動が効果的です
    • 自分が楽しめる運動を選ぶことが、長続きの秘訣です
    • 運動中に会話ができる程度の強度が適切です(ややきついと感じる程度)

    筋力トレーニングも取り入れる

    • 週に2回程度、筋力トレーニングを行うと、基礎代謝が上がり、太りにくい体になります
    • スクワット、腕立て伏せ、腹筋など、自宅でできる運動から始めてみましょう
    • 筋肉量が増えると、血液中の糖を取り込む能力が高まり、血糖値の改善にもつながります
    • ダンベルやチューブなどの簡単な器具を使うのも効果的です

    運動の際の注意点

    • すでに高血圧や心臓病のある方、膝や腰に痛みのある方は、運動を始める前に医師に相談してください
    • 体調が悪い時、食後すぐ、気温が極端に高い・低い時は避けましょう
    • 運動前後にはストレッチを行い、けがの予防を心がけましょう
    • 水分補給をこまめに行いましょう
    • 無理のない範囲で、楽しく続けられることが最も大切です
  • 禁煙の重要性

    喫煙は、肺がんだけでなく、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを大幅に高めます。また、糖尿病の発症リスクも上昇させることが分かっています。禁煙することで、これらのリスクは確実に低下します。
    「何度も禁煙に失敗した」という方も多いでしょう。しかし、禁煙外来では、ニコチン置換療法や内服薬を使った治療により、楽に禁煙できるようサポートします。一人で頑張るよりも、医療機関のサポートを受けることで成功率は大幅に上がります。

  • その他の生活習慣

    十分な睡眠を取ることも大切です。睡眠不足は食欲を増進させるホルモンが増えて、肥満の原因となります。また、ストレスが溜まると過食や飲酒につながります。趣味の時間を持つ、適度に体を動かすなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
    生活習慣の改善は、一度にすべてを完璧に行う必要はありません。できることから一つずつ、無理なく続けられる方法を見つけていくことが大切です。

生活習慣と生活習慣病の関係

生活習慣病という名前が示すとおり、日々の生活習慣と病気の発症には密接な関係があります。

  • 食生活と生活習慣病

    食べ過ぎや高カロリーの食事は、肥満を引き起こします。肥満は、インスリンの働きを悪くして糖尿病を発症させ、血圧を上げ、血液中の脂質バランスを乱します。つまり、肥満という一つの問題が、糖尿病、高血圧、脂質異常症という複数の生活習慣病を同時に引き起こすことになります。
    塩分の摂り過ぎは、体内に水分を溜め込み、血液量を増やして血圧を上昇させます。日本人は伝統的に塩分摂取量が多く、それが日本人に高血圧が多い理由の一つとされています。
    脂肪の摂り過ぎ、特に動物性脂肪の摂り過ぎは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、動脈硬化を進行させます。また、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンや加工食品も、心血管疾患のリスクを高めることが分かっています。糖質の摂り過ぎは、血糖値を急激に上昇させ、インスリンの分泌を促します。この状態が繰り返されると、インスリンを分泌する膵臓が疲弊し、やがて糖尿病を発症します。また、余った糖は脂肪として蓄えられ、肥満につながります。
    一方、野菜や果物に含まれる食物繊維は、糖の吸収を緩やかにし、コレステロールの吸収を抑え、腸内環境を整えるなど、生活習慣病の予防に役立ちます。

  • 運動不足と生活習慣病

    運動不足は、消費カロリーが減って肥満につながるだけでなく、さまざまな悪影響をもたらします。
    運動をしないと、筋肉量が減少します。筋肉は安静時でもエネルギーを消費するため、筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、太りやすい体質になります。また、筋肉は血液中の糖を取り込んでエネルギーとして使うため、筋肉量が少ないとインスリンの働きが悪くなり、糖尿病のリスクが高まります。
    運動不足により血液の循環が悪くなると、血管の柔軟性が失われ、動脈硬化が進行します。また、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少し、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加します。
    定期的な運動習慣は、これらすべてを改善します。運動により体重が減り、インスリンの働きが良くなり、血圧が下がり、脂質バランスが改善されるのです。

  • 喫煙と生活習慣病

    たばこの煙に含まれる有害物質の代表格が、ニコチン、一酸化炭素、タールです。
    ニコチンは、血管を収縮させて血圧を上昇させます。また、一酸化炭素は酸素の200倍の結合力があり、体内の酸素供給を減らしてしまい酸欠状態となり、心臓に負担をかけます。さらに、喫煙は血液を固まりやすくし、血栓を作りやすくします。
    これらの作用により、喫煙者は非喫煙者に比べて心筋梗塞のリスクが2~3倍、脳卒中のリスクが1.5~2倍高くなることが分かっています。また、喫煙はインスリン抵抗性を高め、糖尿病の発症リスクも上昇させます。
    受動喫煙も健康に悪影響を及ぼします。ご自身の健康のためだけでなく、大切な家族のためにも、禁煙をお勧めします。

  • 飲酒と生活習慣病

    適量のアルコールは、善玉コレステロールを増やし、血液をサラサラにする効果があると言われています。しかし、飲み過ぎは百害あって一利なしです。
    アルコールは高カロリーで、アルコール1gあたり約7kcalのエネルギーがあります。ビール中瓶1本(500ml)で約200kcal、日本酒1合で約190kcalにもなります。さらに、お酒を飲むと食欲が増進し、おつまみも進んでしまうため、肥満の原因となります。
    過度の飲酒は、中性脂肪を増やし、血圧を上昇させ、肝臓に負担をかけます。また、アルコールの分解過程で尿酸が作られるため、痛風の原因にもなります。
    アルコール依存症になると、生活習慣病だけでなく、肝硬変や膵炎、認知症など、さまざまな病気を引き起こします。

  • ストレスと生活習慣病

    慢性的なストレスは、自律神経やホルモンのバランスを乱し、血圧を上昇させ、血糖値を上げ、免疫力を低下させます。また、ストレスを感じると、過食や喫煙、飲酒に走りやすくなり、それが生活習慣病につながります。
    ストレスそのものをゼロにすることは難しいですが、上手に発散する方法を見つけることが大切です。適度な運動、趣味の時間、十分な睡眠、信頼できる人との会話などが、ストレス解消に役立ちます。

  • 睡眠不足と生活習慣病

    睡眠不足は、食欲を増進させるグレリンというホルモンを増やし、食欲を抑えるレプチンというホルモンを減らします。その結果、食べ過ぎて肥満につながります。また、睡眠不足自体がインスリン抵抗性を高め、糖尿病のリスクを上昇させることも分かっています。
    質の良い睡眠を十分にとることは、生活習慣病の予防にとって非常に重要です。規則正しい生活リズムを保ち、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスした状態で眠りにつくよう心がけましょう。
    このように、生活習慣病は一つの悪い習慣が一つの病気を引き起こすという単純なものではなく、複数の生活習慣が複雑に絡み合って発症します。逆に言えば、生活習慣を改善することで、複数の病気を同時に予防できるということでもあります。

早期受診の大切さ

生活習慣病の予防と治療において、最も大切なのが「早期発見・早期治療」です。しかし、自覚症状がないからこそ、多くの方が受診を先延ばしにしてしまいます。

  • 健康診断の結果を放置していませんか

    「血圧がちょっと高めですね」「血糖値が境界型です」「コレステロールが基準値を超えています」健康診断でこのように言われても、特に症状がなければ「まだ大丈夫」と思ってしまう方が多いのです。
    しかし、この「まだ大丈夫」と思える期間こそが、実は病気を予防できる貴重な時期なんです。健康診断で異常を指摘されたということは、「今なら間に合います」という体からのメッセージだと受け止めてください。
    この段階で生活習慣を見直し、必要に応じて適切な治療を開始すれば、重大な合併症を防ぐことができます。逆に放置すれば、数年後には心筋梗塞や脳卒中といった取り返しのつかない事態を招くかもしれません。

  • 定期的な通院の重要性

    すでに糖尿病や高血圧などで治療を受けている方は、症状がなくても定期的に通院することが重要です。「調子がいいから薬を飲まなくてもいいだろう」と自己判断で服薬を中断したり、通院を止めたりすることは大変危険です。
    生活習慣病の治療は、症状を取ることが目的ではなく、将来の合併症を予防することが目的です。血圧や血糖値をしっかりコントロールすることで、10年後、20年後の健康を守ることができるのです。
    表町診療所では、定期的な検査により病状を評価し、お薬の調整や生活習慣の見直しを行いながら、患者様の健康を長期的にサポートしています。

気になることがあれば、すぐに相談を

「最近疲れやすい」「喉が渇きやすい」「傷が治りにくい」「体重が急に減った」など、いつもと違う体の変化を感じたら、すぐにご相談ください。これらは糖尿病などの生活習慣病のサインかもしれません。
また、「家族に糖尿病の人がいる」「最近太ってきた」「食生活が乱れている」など、生活習慣病のリスクが高いと感じている方も、一度検査を受けてみることをお勧めします。
岡山市北区の表町診療所では、お一人お一人の状態に合わせた丁寧な診察と、分かりやすい説明を心がけています。「こんなことで受診していいのかな」と迷わず、どうぞお気軽にご相談ください。

総合内科専門医とは

総合内科専門医は、日本内科学会が認定する専門医資格です。この資格を取得するためには、内科全般にわたる幅広い知識と豊富な臨床経験、そして厳格な試験に合格する必要があります。
内科には、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、血液内科、神経内科など、多くの専門分野があります。それぞれの専門医は、自分の専門領域については深い知識を持っていますが、総合内科専門医は、これらすべての分野について総合的な診療能力を持つ医師です。

  • 総合内科専門医の役割

    生活習慣病の患者様は、一つの病気だけでなく、複数の病気を同時に抱えていることが少なくありません。例えば、糖尿病と高血圧と脂質異常症を併せ持つ方、心臓病と腎臓病を同時に治療している方などです。
    このような場合、それぞれの専門医にかかると、複数の医療機関を受診しなければならず、お薬もたくさん処方されて、どれをいつ飲めばいいのか分からなくなることもあります。また、それぞれの専門医が別々に治療を進めると、薬の相互作用や重複投薬の問題が生じることもあります。
    総合内科専門医は、患者様の体全体を総合的に診て、それぞれの病気のバランスを考えながら治療を行います。一人の医師がトータルで管理することで、より効率的で安全な医療を提供できるのです。

  • かかりつけ医としての役割

    総合内科専門医は、専門的な医療を提供するだけでなく、地域に密着した「かかりつけ医」としての役割も担っています。患者様の生活背景や価値観を理解し、長期的な健康管理をサポートすることも大切な使命です。
    表町診療所では、病気の治療だけでなく、健康診断の結果の相談、予防接種、健康に関するあらゆる相談に対応しています。「何でも相談できる、頼れる医師」として、岡山市北区の皆様の健康を守ってまいります。
    生活習慣病は、日々の生活の積み重ねによって発症する病気です。しかし、見方を変えれば、生活習慣を改善することで予防できる、あるいは進行を遅らせることができる病気でもあります。
    「健康診断で異常を指摘された」「最近体調が気になる」「家族に生活習慣病の人がいて心配」など、少しでも不安を感じたら、どうぞお気軽に表町診療所にご相談ください。
    早期発見、早期治療により、健康で充実した毎日を送るお手伝いをさせていただきます。岡山市北区の皆様の健康を守る「かかりつけ医」として、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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